美味いものを並べると

夏も終盤となり、旬の食材も少しづつ移ろい始めております。

今年はこのコロナ渦もあり、市場も普段では手に入りづらい食材も入るという状況になっておりました。そのような中で、夏の終わりですが、美味いものを並べてみたいと思います。


伊勢海老の具足煮

千葉県房州産の活けの伊勢海老が丸々と太っていました。こちらを豪快に具足煮にいたしました。当店の書籍「オーストリアワイン、江戸前鮓と会席料理」でも掲載しましたが、伊勢海老の具足煮は、オーストリア北部の産地ニーダーエスタライヒ州で作られる瓶内二次発酵のリースリング等を使ったスパークリングワインと合わせるとこの上ない最上のマリアージュです。泡が具足煮のうま味を包み込み、口いっぱいに広がります。そして、リースリングが甲殻類、特に伊勢海老のプリっとした身の甘みを引き出して余韻がこれでもかというぐらい引き出されます。

のどぐろの若狭焼

若狭地を付けながら丁寧に焼き上げた一品。脂の乗ったのどぐろをその脂が熱で甘みに変わり、また、ゆっくりと地を付けながら焼くことでジューシーさも残しています。うま味と甘みが凝縮しています。

鰤(ぶり)砂摺りの塩焼

季節を先どった鰤ですが、この腹側はまさに脂が乗って最高の部分です。ここだけをシンプルに塩焼きにしています。焼きながら余計な脂を落とし、また、酢橘とおろしを付けて、脂をさっぱりとさせながら味わっていただきます。口の中に脂のうま味が広がり、酒が進みます。オーストリアワインは酸と柔らかい味わいのシュタイヤーマルク州のヴェルリッチが造るモリロン(シャルドネ)と合わせました。

また、このように素晴らしいオーストリアの固有品種ブラウフレンキッシュとの組み合わせも最高です。こちらはブルゲンラント州のゲゼルマンが造る最高峰のブラウフレンキッシュですが、鰤の脂と口の中で相乗効果を生み出します。

生筋子の手巻き

秋と言えば、秋鮭のシーズンです。この季節しかない、秋鮭の生の筋子を丁寧に掃除して下ごしらえし、特製のだし醤油につけたものを毎年この季節にお出ししています。プチプチとした楽しい触感と、筋子の甘みとうま味に特製だし醤油のうま味をまとわせて、得も言われぬ上手さです。前菜でそのままお出ししたり、また、このように豪華に手巻きで〆に召し上がるのも最高です。

ぜひ、季節の美味いものを召し上がりにお気軽にご来店ください。

伊勢海老の具足煮などは事前オーダーの料理となりますので、ご予約の際などにお気軽にご相談いただきたく存じます。

銀座壮石

「銀座壮石」は、江戸前鮓、会席料理とそれに合わせたオーストリアワインを、凛とした雰囲気と下町の温かさを融合したおもてなしのもとで召し上がっていただけるお店です。